• Japan Academy of Consumer Education
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    6月8日に、改正消費者契約法が参議院で全会一致で成立しました。
    この結果、消費者が申込みあるいは承諾の意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為としては、新たに 6つの類型が追加されました。
    1 願望の実現に抱く過大な不安をあおる告知 (第4条第3項第3号)
    2 恋愛感情等の好意の感情に乗じた人間関係の濫用(第4条第3項第4号)
    3 加齢又は心身の故障による判断力の低下を利用した不安をあおる告知(第4条第3項第5号:衆議院修正)
    4 霊感等合理的に実証することが困難な特別な能力による知見を用いた告知(第4条第3項第6号:衆議院修正)
    5 契約締結前に債務の内容を実施し、原状回復を困難にすること(第4条第3項第7号)
    6 契約締結前に事業活動が特に実施したものである旨及び損失の補償を請求((第4条第3項第8号)
    さらに
    7 不利益事実の不告知(第4条第2項)
    について要件緩和(故意の要件について、重過失を追加)がなされることになりました。

    無効となる不当な契約条項としては、
    8 事業者が自分の責任を自ら決める条項(第8条及び第8条の2の各号の改正)
    9 消費者の後見開始等を理由とする解除条項(第8条の3)
    が追加されました。

    上記1~9については、いずれも適格消費者団体による差止の対象となります
    (第12条参照)

    このほか、事業者の努力義務についても改正がなされています(第3条第1項)

    今回は、消費者契約法が平成12年に成立して以来、消費者の取消権、無効の主張の機会を与える実体法部分としては、もっとも大きな改正になり、また、内容的にも、「恋人商法」や「霊感商法」という長年の懸案についても取消しができる場合を消費者契約法の中に、条文化するものとなりました。

     

    印刷用PDFファイルー180608消費者契約法改正法ポンチ絵(全体版)_

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    参考

    第196回国会(常会)提出法案

    http://www.caa.go.jp/law/bills/

    平成30年3月2日 消費者契約法の一部を改正する法律案